繊細な猫の地球での暮らし。

化学物質過敏症とツインレイと無理せず生きてく

ぼくらの海

ぼくたちも遠い遠いむかし

クジラやイルカだったことがあるよ

ぼくらの棲む愛する海は

とてもとてもきれいだった

まだそのときは

 

ペンギンになったのはそのあとさ

鳥になって逃げてしまいたかった

でももともとぼくらは

クジラやイルカで生まれたから

飛ぶことはできなかった

愛する海から離れることは

ゆるされなかった

唯一飛ぶことができたのは

愛する海のなかの空だけだった

 

空が青いのは

海が青いことを忘れないためさ

ぼくらのふるさと

美しかった海を思い出すためさ

 

ぼくらは人間に生まれた

空も海もあんなに

青くてきれいなのに

ここはとても息苦しい

愛する海から

逃げたくなったときのこと思い出した

 

ぼくらのいる場所は

汚れたままなんだ

クジラやイルカだったぼくらが

人間になって汚したから

 

憶えている

美しく愛おしい海

だから空を見上げては

逃げたくなる

あのときのように

ここはぼくらのいる場所じゃないって

 

羽があるのに飛べない

ぼくらを中途半端な存在にしたのは

ほかでもないぼくらさ

愛する海から逃げてしまったぼくらさ

 

ぼくらは生まれてから

ずっと同じ場所にいる

クジラやイルカのままでいる

だから鳥に生まれることはできない

鳥の愛する空を知ることはできない

愛する海しか知らない

愛する海からは離れられない

ぼくらの生まれた場所だから

 

けれど空と海は

同じ青い色をしている

それはつまり

同じ愛する場所だってことだ

 

それを確かめるために

鳥でもクジラやイルカでもない

ペンギンに生まれたんだろう

そしてもう少しいろいろを知りたくて

そこへきた宇宙人にお願いして人間になった

そしたら研究に没頭して

海のことも空のことも

見えなくなった

 

ぼくらは愛する海から逃げている

命のふるさとから逃げている

どこへも逃げられないのに

見て見ぬふりを続けてる

 

いつかはみんな死んでいく

でも本当は

ぼくらでぼくらを殺してる

ぼくらがずっと

愛する海から空から

空気から大地から

地球から逃げ続けたら

 

ぼくらの生まれたふるさとは

ぼくらによって滅ぶだろう

 

愛する海と空の

本当の青を思い出さなければ

ぼくらはその青の一部であることを

思い出さなければ…